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ホームページ制作の費用相場を完全解説|初期費・月額・機能別の料金一覧【2025年版】

2025-06-10

監修:久保谷 太志

経済産業大臣認定 中小企業診断士 / Web制作ディレクター

ホームページ制作費用相場

はじめに|なぜ今、ホームページ制作の「費用感」が重要なのか?

ホームページ制作を検討する際、最初に多くの方が悩むのが「どれくらい費用がかかるのか」という点です。かつては一部の大企業や専門的な事業者だけがホームページを持つ時代でしたが、今では中小企業や個人事業主にとっても「名刺代わりのホームページ」は必須となりました。顧客との信頼構築や集客、採用活動、業務効率化において、ホームページの役割はますます拡大しています。

しかし、制作費用は依頼先や仕様によって大きく異なり、「10 万円台で作れる」というケースもあれば「100 万円以上必要」という声もあります。これほどまでに価格帯が幅広い背景には、ページ数やデザインの自由度、機能要件、運用体制の違いがあるためです。つまり、正しく費用感を理解せずに外注を進めてしまうと、「思ったより高額だった」「必要な機能が含まれていなかった」といった失敗につながるリスクが高まります。

さらに、最近では補助金を活用した制作や、月額定額型のサブスクリプションサービスも普及しており、費用の考え方自体も多様化しています。こうした時代の変化を踏まえると、単に「安いか高いか」ではなく、目的に対して妥当な投資ができているかどうかを見極めることが重要です。

この章では、ホームページ制作にかかる費用の全体像とその背景、そして価格にまつわるトレンドや注意点を丁寧に解説します。費用の基準を知ることは、無駄な出費を防ぎ、成果につながるホームページを作る第一歩です。

費用相場の全体像|初期費用・月額費用・オプション費の内訳とは?

ホームページ制作にかかる費用は、単に「一式いくら」では判断できません。実際には初期費用・月額費用・オプション費用の 3 つに分かれ、それぞれの内容や目的によって金額に大きな差が出ます。この章では、それぞれの費用項目について詳しく解説し、どのような場合にどの程度の費用がかかるのか、具体的な目安を紹介します。

初期費用とは?構成要素と目安

初期費用とは、ホームページを新規で制作する際に最初に発生する費用のことです。以下のような要素で構成されます。

  • 企画・構成費(ヒアリング、設計)
  • デザイン費(トップページ、下層ページ)
  • コーディング費(HTML/CSS、CMS 組み込み)
  • スマホ対応・レスポンシブ対応
  • 写真撮影やライティングの代行

制作会社に依頼する場合、10 万円〜80 万円程度が相場ですが、ページ数やデザインの自由度、使用する CMS の種類(WordPress など)によっても変動します。特に**オリジナルデザイン+機能実装(予約機能や会員ページ)**を希望する場合は、100 万円以上になるケースもあります。

月額費用の内訳と料金例

月額費用は、ホームページを運用・維持するために必要な費用です。以下のような要素が含まれます。

  • サーバー・ドメインの維持費用
  • CMS の保守・セキュリティ更新
  • 軽微なテキスト修正や画像変更
  • アクセス解析レポート提供(Google Analytics 等)
  • サポート窓口対応

月額費用の目安は3,000 円〜15,000 円前後が一般的ですが、内容によっては月 5 万円以上の保守契約を組むケースもあります。逆に、レンタルサーバー代や独自ドメインだけを自分で管理する場合は、月 1,000 円未満で済むこともあります。

オプション費用:機能追加やコンテンツ更新の価格帯

基本パッケージには含まれない機能やコンテンツを後から追加したい場合、別途オプション費用が発生します。以下はよくあるオプションの価格帯です。

  • 問い合わせフォーム追加:1 万円〜3 万円
  • 予約機能やカレンダー連携:5 万円〜15 万円
  • 多言語対応(英語など):1 言語あたり 10 万円〜
  • EC 機能(カート・決済):20 万円〜50 万円
  • ブログ機能やお知らせ欄追加:2 万円〜5 万円

また、**コンテンツの定期更新(ブログ投稿代行、写真差し替えなど)**も都度費用がかかる場合があります。月ごとの更新頻度や作業ボリュームによって、1 回数千円〜2 万円程度が相場です。


このように、ホームページ制作には一見わかりにくい多様な費用が関わってきます。単に「安いから」「高いから」で判断するのではなく、必要な項目と費用の妥当性を丁寧に見極めることが成功の鍵となります。

ページ数ごとの制作費相場

ホームページ制作の費用は、ページ数によって大きく異なります。単純にページが多いほどコストがかかるのはもちろんですが、それ以上に「設計の複雑さ」「デザインの個別対応」「CMS の構築有無」などが影響します。ここでは、代表的なページ構成パターン別に相場感を紹介します。

1 ページだけのランディングページの場合

1 ページ完結型の**ランディングページ(LP)**は、商品やサービスの訴求に特化した構成です。広告と連動してアクセスを集め、ユーザーに行動(購入・問い合わせ)を促す役割があります。

  • 制作費の目安:5 万円〜30 万円
  • 特徴:縦長構成/CTA ボタンあり/広告最適化
  • よく使われる業種:美容・サロン・セミナー・単品通販など

安価なテンプレート利用であれば数万円で済むこともありますが、広告成果を最大化するためには構成設計・コピーライティング・デザインの最適化が必要なため、プロに依頼すると 20 万円以上かかるケースが一般的です。

トップページ+ 5 ページ構成の中小企業サイト

もっとも依頼が多いのが、トップページ+ 5〜6 ページの中小規模ビジネス向けサイトです。企業概要・サービス紹介・料金・お問い合わせフォーム・アクセス情報などを掲載する基本的な構成です。

  • 制作費の目安:20 万円〜80 万円
  • ページ構成例:
    • トップページ
    • 会社案内(企業理念・沿革など)
    • サービス紹介(1〜2 ページ)
    • よくある質問
    • お問い合わせフォーム

WordPress の導入+スマホ対応+ SSL 対応などを加味すると、50 万円前後になるケースが多くなります。しっかりとブランディングしたい企業は、オリジナルデザインと撮影・ライティング込みで 100 万円近くを想定しておくと安心です。

多ページ構成の企業サイトやメディア型サイト

多くのコンテンツを持つ中堅〜大手企業サイトや、SEO や集客を目的としたオウンドメディア型サイトは、ページ数が 10〜数百ページにも及ぶことがあります。

  • 制作費の目安:100 万円〜300 万円以上
  • 特徴:
    • CMS 構築(WordPress や MovableType 等)
    • カテゴリ設計・タグ機能
    • 検索機能、会員制コンテンツなどの追加機能
    • 運用マニュアルやチーム対応も必要

特に「ニュース配信型」「コラム記事中心」「多言語対応」「部署ごとの更新」などを含む構成では、初期構築だけで数百万円規模になるケースも少なくありません。このようなサイトは、設計段階からプロジェクトマネジメントを含めた中〜長期の運用視点で考える必要があります。


ページ数によって制作費用が変動するのは当然ですが、「ただ多いから高い」のではなく、どれだけ設計・機能・更新性に配慮して作られているかが価格を決める重要な要素です。自社にとって必要な構成を明確にしたうえで、費用対効果の高い依頼を目指しましょう。

機能別の料金目安|必要なものだけ選べる時代

現代のホームページ制作では、**「すべてを含めた一括パッケージ」**よりも、必要な機能だけを取捨選択してカスタマイズする手法が主流となっています。ここでは、よく導入される各種機能について、追加料金の目安と概要を紹介します。

お問い合わせフォーム

  • 料金目安:1 万円〜5 万円
  • 主な機能:氏名・メール・電話・自由記入欄、送信完了ページ、スパム対策(reCAPTCHA)など

お問い合わせフォームは、ほぼすべての企業サイトに必要不可欠な基本機能です。簡易的なものは無料テンプレートにも含まれることがありますが、項目のカスタマイズやデータの自動保存、管理画面連携が必要な場合は追加費用が発生します。

ブログ機能(CMS)

  • 料金目安:3 万円〜20 万円
  • 主な構成:WordPress や独自 CMS の構築、投稿・編集画面の設計、カテゴリ管理、タグ管理など

自社で簡単に記事投稿できる**CMS(コンテンツ管理システム)**の導入は、SEO 対策や情報発信において重要です。テンプレート使用でコストを抑える方法もありますが、デザインカスタマイズや独自機能を加える場合は追加料金がかかります。

予約システム・カレンダー連携

  • 料金目安:5 万円〜30 万円
  • 機能例:日時指定予約/管理画面での空き枠管理/Google カレンダー連携/メール通知機能など

サロン・スクール・医療系など、時間枠での予約を必要とする業種では欠かせない機能です。自社用に構築するか、外部予約サービスと連携するかで料金は大きく変わります。

EC 機能(カート、決済)

  • 料金目安:10 万円〜80 万円
  • 主な内容:商品一覧ページ/商品詳細/カート/決済連携(Stripe、PayPal など)/在庫管理/注文確認メール

EC サイトは設計・セキュリティ・運用体制が求められるため、一般的なコーポレートサイトに比べて構築費用が高くなる傾向があります。Shopify や BASE などを利用すれば費用を抑えることも可能です。

多言語対応

  • 料金目安:5 万円〜30 万円
  • 機能例:言語切替ボタン/翻訳対応/自動翻訳ツール連携(Google 翻訳、Weglot など)

インバウンド需要や海外展開を想定した企業では、多言語対応が求められます。自動翻訳と人力翻訳ではコストもクオリティも異なるため、目的に応じた選定が重要です。

会員ログイン・マイページ

  • 料金目安:10 万円〜100 万円以上
  • 主な構成:会員登録機能/ログイン・ログアウト/マイページ(注文履歴・プロフィール変更など)

会員制サイトや BtoB 向けの業務ポータルでは、個別ユーザーごとに情報を管理できる仕組みが必要です。セキュリティ要件やデータベース構築、サーバー設計なども含まれるため、費用は高額になります。


これらの機能は、ホームページの目的やターゲット層に応じて取捨選択すべきです。「全部入り」ではなく「本当に必要な機能を見極める」ことが、予算の最適化と成果の最大化のカギとなります。

制作形式別の費用比較|自作 vs 外注 vs サブスク

ホームページ制作には、大きく分けて自作(セルフビルド)制作会社への外注、**サブスクリプション型(月額定額)**の 3 つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、費用構造も大きく異なります。以下で詳しく比較していきましょう。

Wix や WordPress などの自作サイトのコスト

  • 初期費用:0 円〜5 万円程度(独自ドメイン取得や有料テンプレート代)
  • 月額費用:無料〜3,000 円程度(Wix や WordPress 有料プランなど)

自作は、とにかく初期費用を抑えたい方に最も向いている方法です。テンプレートを活用し、ドラッグ&ドロップで直感的に作成できるサービスも多く、HTML や CSS の知識がなくても形にできます。

ただし、見た目は整っても「伝えたい内容が的確に伝わるか」「集客に結びつく設計になっているか」といったマーケティング面での弱点が出やすく、更新が続かないという課題もあります。

制作会社へのフル外注の費用帯

  • 初期費用:30 万円〜100 万円以上
  • 月額費用:0 円〜1 万円程度(保守・サーバー代など)

プロに依頼する最大のメリットは、デザイン・設計・SEO 対策・ユーザビリティすべてにおいて高品質なサイトが得られることです。ヒアリングから納品までしっかり対応してくれるため、時間がない経営者やマーケティング部門には特におすすめです。

一方で、費用は最も高額になる傾向があり、「見積もり内容が不透明」「追加料金が発生した」などのトラブルを避けるために、契約内容の確認が必須です。

月額定額サブスクリプション型の特徴と費用感

  • 初期費用:無料〜5 万円程度
  • 月額費用:3,000 円〜2 万円程度

最近増えているのが、「初期費用 0 円」で始められる月額制ホームページサービスです。デザインテンプレートが豊富で、ある程度のカスタマイズにも対応しており、中小企業や個人事業主の“とりあえず始めたい”ニーズにマッチしています。

運用保守や更新代行が含まれているケースも多いため、IT に強くない企業でも安心して継続できます。ただし、契約期間に縛りがある場合や、解約時にデータを持ち出せないことがあるため、利用規約の確認が重要です。


比較まとめ

形式 初期費用 月額費用 向いている人
自作 0 円〜5 万円 無料〜3,000 円 コストを抑えて自力で挑戦したい人
外注 30 万円〜100 万円 0 円〜1 万円 本格的に集客・信頼獲得を目指す企業
サブスク型 0 円〜5 万円 3,000 円〜2 万円 費用を抑えつつ外部に任せたい人

ホームページ制作は**「安く済ませたい」だけで選ぶと、後々の集客や信頼性で損をすることもある**ため、目的や運用体制に応じて最適な形式を選ぶことが成功のカギとなります。

制作会社の料金体系の違いと選び方

ホームページ制作を外注する際、制作会社によって料金体系が大きく異なります。表面的な金額だけで判断せず、その仕組みや背景を理解して選ぶことが、納得感のある発注につながります。

パッケージ料金制と都度見積もり制の違い

制作会社の料金体系には、大きく分けて以下の 2 つのパターンがあります。

  • パッケージ料金制
    あらかじめ「5 ページ構成」「問い合わせフォーム付き」などの内容でセット化された料金プラン。
    例:初期費用 30 万円、月額 5,000 円で保守付き、など。

  • 都度見積もり制
    ヒアリング内容をもとに、完全オーダーメイドで費用を算出。ページ数や機能、写真撮影の有無など、要素ごとに細かく料金が設定されます。

パッケージ型は価格が明瞭で初心者にも分かりやすいのがメリットですが、内容のカスタマイズが難しく、オリジナリティに欠けるケースも。一方、都度見積もり型は柔軟性が高い反面、見積書の理解と精査が必要不可欠です。

「安い=お得」とは限らない理由

ホームページ制作では、単純な価格比較で「安いほうが得」と判断するのは危険です。以下のようなケースでは、結果的にコストがかさむこともあります。

  • 初期費用は安いが、月額料金が高くトータルで割高になる
  • 修正対応が都度有料で、頻繁な更新に不向き
  • デザインの自由度が低く、ブランディングにマッチしない
  • 途中解約時にデータの引き継ぎができない

**「何が含まれていて、何が別料金か」**を明確にしておくことが、費用トラブルの防止につながります。

見積書で注目すべき費用項目とは?

見積書を受け取ったら、以下の項目に特に注目しましょう。

  • ディレクション費:全体管理・進行にかかる費用。総額の 10〜20%程度が目安。
  • デザイン費・コーディング費:ページ単価やデザイン修正の範囲が明記されているか。
  • CMS 導入費:WordPress などを組み込む場合のシステム構築費用。
  • 写真・動画撮影費:プロによる撮影が必要か、素材提供か。
  • 保守・更新費用:月額でどこまで対応してくれるのか、範囲と回数に制限はないか。

また、**オプション扱いとなる可能性がある項目(フォーム追加、SNS 連携、SEO 設定など)**も事前に確認しておくと安心です。


料金体系を見極めるためには、金額の内訳を深く理解し、自社の目的や予算と照らし合わせて選ぶ姿勢が不可欠です。信頼できる制作会社は、質問に対して丁寧に説明し、柔軟な対応をしてくれるはずです。

業種別の費用相場事例(具体価格あり)

ホームページ制作の費用は、業種ごとのニーズや競合環境、必要な機能によって大きく異なります。このセクションでは、実際によくある業種を取り上げ、参考価格と必要な構成を具体的にご紹介します。

美容室・ネイルサロン向けサイト

想定費用:20 万〜50 万円前後(初期)/月額 5,000〜10,000 円

美容・サロン系サイトでは、ビジュアル重視のデザイン予約機能が重要です。写真撮影のクオリティ次第で印象が大きく変わるため、撮影費用がかかる場合もあります。

  • 必要な機能:メニュー掲載、スタッフ紹介、予約フォーム、Google Map
  • デザイン:トレンド感と親しみやすさの両立がカギ

飲食店・居酒屋の店舗型サイト

想定費用:15 万〜40 万円前後(初期)/月額 3,000〜8,000 円

飲食店の場合、メニュー情報と店舗アクセスの分かりやすさが重視されます。デザインは業態によって雰囲気を調整(高級感/カジュアル感など)。

  • 必要な機能:メニュー掲載、予約・問い合わせ、SNS 連携
  • オプション例:多言語対応、イベント紹介ページなど

士業(税理士・行政書士など)の専門サイト

想定費用:25 万〜60 万円前後(初期)/月額 5,000〜15,000 円

士業のサイトは信頼感・実績・専門性を伝える構成が求められます。コンテンツボリュームが多くなりがちで、SEO を意識した記事制作を含めることも。

  • 必要な機能:業務内容紹介、無料相談フォーム、実績掲載
  • 特徴:真面目すぎず、親しみやすい印象も重要

医療系(歯科・内科など)信頼性重視サイト

想定費用:30 万〜80 万円前後(初期)/月額 8,000〜20,000 円

医療系サイトは診療内容の明確化医療広告ガイドラインへの準拠が必要です。保護者や高齢者が閲覧することを想定した文字サイズ・色使いの工夫も不可欠です。

  • 必要な機能:診療時間表、予約機能、スタッフ紹介、FAQ
  • 注意点:医療法に準拠したコンテンツ設計が必須

学習塾・習い事向けの集客サイト

想定費用:20 万〜50 万円前後(初期)/月額 5,000〜10,000 円

保護者の安心感と実績の訴求が重要。料金表・合格実績・時間割掲載など、情報のわかりやすさが求められます。

  • 必要な機能:コース紹介、教室案内、入会フォーム、ブログ機能
  • オプション例:写真ギャラリー、体験申し込みボタンなど

建設・製造業など BtoB 向けサイト

想定費用:30 万〜100 万円前後(初期)/月額 10,000 円〜

製品紹介や技術力の可視化、信頼性の高い企業印象の構築が必要です。多ページ構成での導線設計も重視されます。

  • 必要な機能:施工実績、製品カタログ PDF、会社案内、採用情報
  • 特徴:堅実さ・技術力・信頼性の表現が重要

業種ごとの費用感を把握しておくことで、**相場からかけ離れた見積もりを見抜く力が養われます。**あわせて自社の目的・ターゲット層を整理しておくことで、費用対効果の高いサイト制作が実現しやすくなります。

補助金・助成金で賢くコストダウンする方法

ホームページ制作の費用を抑えたい事業者にとって、補助金・助成金の活用は非常に有効な手段です。特に中小企業や個人事業主を対象にした支援制度は年々整備されており、条件を満たせば最大で費用の 2 分の 1〜3 分の 2 が補助されるケースもあります。このセクションでは、代表的な制度と活用方法、申請のポイントを解説します。

IT 導入補助金を活用した制作例

IT 導入補助金は、中小企業等が業務効率化や非対面化を目的とした IT ツール導入を行う際に支給される制度です。ホームページ制作においても、以下のようなケースで利用可能です。

  • EC サイトの構築(ネットショップ)
  • 予約システム・顧客管理システムとの連携
  • CMS(WordPress 等)を活用した情報発信ツール

補助率は通常枠で1/2 以内(最大 450 万円)、デジタル化基盤導入枠では**2/3 以内(最大 350 万円)**と比較的高め。申請には、IT 導入支援事業者と連携して申請書類を作成する必要があるため、制作会社が対応しているかを事前に確認しましょう。

小規模事業者持続化補助金の条件と申請方法

小規模事業者持続化補助金は、商工会や商工会議所に属する小規模事業者が、販路拡大のための取り組みにかかる費用を補助する制度です。ホームページ制作も補助対象の代表例であり、以下のような用途で活用できます。

  • 新規顧客獲得のための集客サイト構築
  • 商品紹介ページの制作
  • ネット広告との連携によるキャンペーンページ作成

補助率は**2/3 以内、最大 50 万円(特定枠で最大 200 万円)**が基本。申請には、経営計画書や補助事業計画書の提出が必要で、比較的手間がかかるものの、採択率が高めで人気の制度です。

専門家への相談や申請代行の活用

補助金の申請は、書類作成や要件確認に一定の専門知識が求められるため、専門家やコンサルタント、制作会社によるサポートを活用するのが現実的です。最近では、ホームページ制作を行う企業が補助金申請支援をセットで提供するケースも増加しています。

  • 商工会議所など地域支援機関の無料相談を活用
  • 行政書士など補助金支援専門家への依頼
  • 補助金に強い制作会社の選定

初期費用の半分以上が補助されるケースもあり、数十万円単位でのコストダウンが可能です。補助金をうまく活用することで、限られた予算でもクオリティの高いホームページ制作が実現できるため、活用しない手はありません。

初期費用を抑える方法|費用をかけずに信頼感あるサイトを作るコツ

ホームページ制作を検討する際、多くの事業者が最初に直面する課題が「初期費用の高さ」です。しかし、予算が限られていても信頼感あるホームページを作る方法は存在します。このセクションでは、初期費用を最小限に抑えながら、効果的で見栄えの良いサイトを構築するための具体的なコツを解説します。

写真・文章を自社で用意する

プロのカメラマンやライターに依頼すると、撮影や文章作成だけで数万円〜十数万円の費用が発生します。これらの作業を自社で内製化すれば、初期費用の大幅削減が可能です。

  • 写真はスマートフォンでも十分対応可能(自然光+高画質設定を意識)
  • 商品やサービス説明文は社内で草案を作成し、制作会社に添削依頼する形が効率的
  • Q&A 形式やストーリー調での文章構成は、ライターでなくても読みやすく整理できる

写真とテキストはサイト全体の印象を大きく左右する要素ですが、完全なプロ品質でなくても、丁寧に準備するだけで十分に好印象なサイトが作れます。

テンプレート活用とその注意点

多くの制作会社や Web サービスでは、テンプレートデザインを活用することでデザイン工数を削減できます。これにより、数万円〜10 万円以下での制作も可能になる場合があります。

メリット:

  • 短納期で公開できる
  • デザイン費用を抑えられる
  • 構成があらかじめ用意されており、初心者でも安心

ただし以下の点に注意が必要です:

  • 他社と似たデザインになりやすく、ブランディング性に欠ける可能性がある
  • 細かなカスタマイズに対応できないケースが多い
  • スマホ表示や SEO 構造が不十分なテンプレートも存在

テンプレートを選ぶ際は、レスポンシブ対応かどうか導線設計が適切かをしっかり確認することが重要です。

最小構成から始めて拡張する戦略

初期費用を抑えつつ成果につなげるには、**最初からフル機能を目指さず「必要最低限で公開 → 段階的に拡張」**というアプローチが効果的です。

例:

  • スタート時は「トップページ+お問い合わせフォーム+事業案内ページ」のみ構成
  • 将来的にブログ機能や実績紹介ページを追加
  • SNS 連携や SEO 改善は運用フェーズで対応

この戦略であれば、初期コストを 10 万円前後に抑えつつ、効果を検証しながら段階的に投資することができます。また、スモールスタートすることで、顧客の反応や運用課題に応じた最適化も行いやすくなります。


初期費用は、工夫次第で大きく圧縮できます。自社でできることを把握し、必要最小限の構成でスタートすることが、コストパフォーマンスの高いサイト制作の鍵です。

月額費用の内訳と見直しポイント

ホームページを公開した後にも、毎月一定の運用コストがかかるのが一般的です。この「月額費用」はサービス内容や契約形態によって大きく異なり、コストパフォーマンスを最大化するには内訳の理解と定期的な見直しが不可欠です。

ドメイン・サーバー費用

まず基本となるのが、ドメイン(例:example.com)とサーバーの維持費です。

  • ドメイン費用:年間で 1,000〜3,000 円程度が相場(.jp や.co.jp はやや高め)
  • サーバー費用:月額 500 円〜3,000 円程度(共用レンタルサーバーの場合)

クラウド型や専用サーバーを選ぶとコストは上がりますが、その分表示速度やセキュリティ、安定性が向上します。中小企業や店舗サイトなら、まずは共用サーバーで十分な場合も多く、初期契約プランのグレード見直しでコストを削減できることがあります。

保守管理・更新対応の月額費

制作会社と保守契約を結ぶと、月額で 5,000 円〜2 万円ほどの費用が発生するのが一般的です。これには以下のような内容が含まれます。

  • サイトの定期バックアップ
  • システムやプラグインのアップデート対応
  • 軽微な修正(テキスト変更、画像差し替えなど)
  • 不具合発生時の緊急対応

保守内容が手厚いほど費用は高くなりますが、セキュリティリスクへの備えや、トラブル時の迅速な対応が必要な業種では価値のある投資です。

一方で、更新頻度が低い場合は、スポット依頼型の運用(必要時のみ更新を依頼)に切り替えることで、コストの見直しが可能です。

SEO・アクセス解析などの運用サポート費

集客を重視する場合、保守に加えてSEO 対策やアクセス解析のサポートを含んだプランを契約するケースがあります。

  • SEO 初期設定(メタタグ、サイト構造最適化など):初期+月額 1 万円前後
  • 毎月の SEO 改善提案やキーワード順位レポート:月額 2〜5 万円程度
  • Google アナリティクスのレポート作成や改善提案:月額 5,000 円〜2 万円

ただし、運用が形骸化しているケースも少なくありません。自社でアクセス状況を把握し、更新頻度が少ないのであれば、サポート内容の棚卸しと費用対効果の再確認をおすすめします。


月額費用は「なんとなく契約を継続しがち」な領域ですが、定期的に内訳を確認することで数千円〜数万円規模の見直しが可能です。必要なサービスだけに絞り、効果が実感できるものに投資することが、健全なサイト運営につながります。

よくある落とし穴|費用トラブルを避けるために

ホームページ制作を外注する際、「予算内に収まると思っていたのに、気づけば大幅に超過していた」「納品後に高額な追加請求がきた」といったトラブルは珍しくありません。費用面での後悔を防ぐには、契約前の確認と見積書の読み解きが重要です。

契約前に確認すべき「見積もりの盲点」

見積書には大まかな項目だけが記載され、細かい作業範囲が不明瞭なケースがよくあります。

たとえば「トップページ+下層 5 ページ」と書かれていても、

  • 各ページの構成は自由に決められるのか
  • 写真撮影や原稿作成の有無
  • スマホ対応や問い合わせフォームの設置は含まれるのか

といった点が明示されていなければ、作業開始後に追加料金を請求される可能性があります

依頼者としては、「これも含まれていると思っていた」という認識違いが生じやすいため、口頭ではなく文面で作業範囲を確認し、保存しておくことが大切です。

修正回数や範囲の明記はされているか

ホームページ制作では、初回のデザイン提出後に修正依頼を行うのが一般的ですが、「修正回数に上限がある」「ある程度を超えると追加料金」というルールが設定されている制作会社もあります。

よくある注意点として、

  • 無制限と思っていたら「2 回まで無料、それ以降は 1 回 5,000 円」
  • 修正がデザイン全体に及ぶ場合は「再設計扱いで追加費用発生」
  • 修正期間を過ぎると対応できない

といった規定が契約書や見積書に記載されていることもあるため、修正対応については事前にしっかりと確認しましょう

納品後の追加料金に注意

公開後のホームページにも、意外な形で費用が発生するケースがあります。よくあるのが次のような項目です。

  • ドメイン・サーバー契約の名義が業者側になっており、解約時に手数料が発生
  • CMS(WordPress など)のログイン権限が制限されており、編集には有料対応が必要
  • バグ修正は無償対応対象外として別途費用を請求される

これらのケースでは、納品後も継続的に業者に依存せざるを得ない構造ができあがってしまいます。事前に「どこまでが無料か」「誰が権限を持つか」を明文化しておくことで、トラブルを回避できます。


ホームページ制作は、価格だけで判断してしまうと**“安かろう悪かろう”のリスク**が潜みます。費用トラブルを避けるためには、見積もりや契約書の細部まで目を通し、不明点は曖昧にせず確認する姿勢が欠かせません。安心して運用できるパートナー選びが、予算内での成功に直結します。

実際の制作事例とその費用感(匿名データ付き)

「ホームページ制作の費用は一概にいくらとは言えない」と言われることが多い中で、実際にどれくらいの費用で、どんなサイトが作られているのかを把握するのは非常に有益です。ここでは、業種別の匿名データをもとに、実際の制作事例と費用感、得られた成果を紹介します。

店舗系:A 美容室の制作費内訳と効果

概要
東京都内の美容室 A 店では、予約数の増加とブランディング強化を目的に、以下のような構成でホームページを制作しました。

制作内容

  • トップページ+メニュー紹介+スタッフ紹介+ギャラリー+予約フォーム
  • スマホ最適化(レスポンシブデザイン)
  • Google マップ・インスタ埋め込み
  • WordPress によるブログ機能追加
  • 写真撮影(店舗内・スタイル写真)

費用内訳

  • 初期制作費:330,000 円(税込)
  • 写真撮影費:55,000 円
  • 月額保守・更新サポート:8,800 円

効果

  • 月間予約数が 30%以上アップ
  • スタイリスト指名率向上
  • Google 検索結果にて「地域名+美容室」で 1 ページ目にランクイン

士業:B 税理士事務所の事例

概要
新規顧客開拓に悩んでいた税理士事務所 B(地方都市)が、信頼性の高いサイトを制作し、ターゲット層への訴求力を高めました。

制作内容

  • トップページ+サービス紹介+料金表+プロフィール+ FAQ +問い合わせ
  • スマホ対応
  • お知らせ機能(WordPress)
  • SEO 対策込みのライティング支援

費用内訳

  • 初期制作費:440,000 円(税込)
  • コンテンツライティング:66,000 円
  • 月額運用サポート(SEO・アクセスレポート):11,000 円

効果

  • 「地域名+確定申告」などのキーワードで上位表示
  • サイト経由の問い合わせが 0 → 月 5〜10 件に増加
  • 顧問契約につながる相談件数が増加

教育系:C 学習塾の導入例

概要
学習塾 C は、地域密着型の小規模塾で、入塾者数の伸び悩みを解消するため、スマホ対応と入退室管理アプリの紹介を兼ねたホームページを新規開設しました。

制作内容

  • トップページ+コース紹介+料金+保護者向けページ+お問い合わせ
  • LINE 連携+入退室アプリ紹介セクション
  • 写真・ロゴデザインも含むトータルパッケージ

費用内訳

  • 初期制作費:385,000 円(税込)
  • ロゴデザイン:33,000 円
  • 月額保守:5,500 円

効果

  • 保護者からの信頼度が向上し、紹介経由の入塾が増加
  • スマホで見やすいデザインが評判に
  • LINE 連携により問い合わせ率アップ(前月比 2 倍)

このように、目的・業種・構成に応じて費用帯は変動しますが、共通して言えるのは“きちんと設計されたサイトは結果につながる”ということです。費用の大小だけでなく、「目的を達成する構成になっているか」を判断基準にすることが、ホームページ制作の成功につながります。

よくある質問(FAQ)

ホームページ制作に関する費用の疑問や不安は、誰もが一度は抱くものです。ここでは、よく寄せられる質問に対して、プロの視点からわかりやすくお答えします。

Q. 初期費用 0 円のサービスは本当にお得?

一見すると魅力的な「初期費用 0 円」ですが、長期的には割高になるケースもあります。多くの場合、初期の制作費用を抑える代わりに、月額費用が高く設定されていたり、契約期間が長期にわたって縛られていたりします。

注意点

  • 契約期間が 2 年以上などの縛りがあるか確認する
  • 解約時にデータを引き渡してもらえるか
  • 独自ドメインの所有権はどちらにあるか

コスト全体で比較した場合、初期費用がある程度かかっても、トータルで安く済むことも少なくありません。

Q. 「ホームページ作成無料」とうたうサービスの注意点は?

「無料でホームページを作れる」とうたうサービスの多くは、Wix や Jimdo、STUDIO などのクラウド型ツールです。自分で操作して作成できるのが魅力ですが、次のような制限や落とし穴もあります。

代表的な注意点

  • 広告が表示される(無料プランの場合)
  • 独自ドメインが使えない
  • カスタマイズ性が低い
  • SEO に不利な構造になることがある

本格的に集客したい、信頼性を伝えたいといった場合には、有料プランや制作会社への依頼を検討した方がよいでしょう。

Q. 月額費用はいつまで払い続けるの?

月額費用の内訳には、ドメイン・サーバー代だけでなく、保守や更新、運用サポート費が含まれていることが一般的です。

払い続ける必要がある主な費用

  • サーバー・ドメイン(契約中は継続的に必要)
  • 定期的な保守・バグ修正
  • CMS のアップデート対応
  • 月次のアクセス解析・レポート提出

費用の名目が明示されていない場合は、契約前に「何に対する費用なのか」を明確にしておくことが重要です。

Q. 自社更新か、外注更新かの判断基準は?

日々の情報発信をスピーディに行いたい場合は、WordPress などの CMS(コンテンツ管理システム)を導入して自社で更新できる体制が理想です。一方で、専門的なデザイン変更やセキュリティ対応が必要な場面では、制作会社に依頼した方が安心です。

判断のポイント

  • 社内に Web の知識がある担当者がいるか
  • 更新頻度はどれくらいか(週 1 回以上なら自社更新も推奨)
  • 更新内容が簡単なテキスト修正程度か、構造変更を伴うか

最初は外注でスタートし、運用に慣れてきたら自社での一部更新に移行する、というハイブリッドな運用も可能です。


以上のようなポイントを押さえておくことで、後悔のない費用設計と運用体制を整えることができます。疑問があれば契約前に納得いくまで確認することが、費用トラブルを防ぐ最善策です。

まとめ|適正価格で価値あるホームページを作るために

ホームページ制作にかかる費用は、事業の規模や目的、求める機能によって大きく異なります。この記事では、初期費用・月額費用・オプション費といった基本的な内訳から、業種別の費用感、補助金の活用方法まで幅広く解説しました。

では、最終的に「何をもって適正価格とするべきか」。それはコストに見合った成果や価値が得られるかという視点です。

たとえば、30 万円で作ったホームページでも、まったく集客できないのでは意味がありません。一方、100 万円かかっても、問い合わせが継続的に増え、事業拡大につながれば、それは価値ある投資と言えます。

適正価格でホームページを作るためのチェックリスト

  • 自社に必要なページ数と機能を明確にする
  • 運用にかかるコストも含めて、総額で比較する
  • 安さだけでなく、制作実績やサポート体制も確認する
  • 初期費用を抑える工夫(素材準備・テンプレ活用)を取り入れる
  • 補助金や助成金の活用も視野に入れる

「価値あるホームページ」は長く使える資産になる

現代のビジネスにおいて、ホームページはただの名刺代わりではなく、24 時間働く営業マンとも言える存在です。訪問者に信頼感を与え、問い合わせや来店、購入といった具体的なアクションにつなげるための重要な接点です。

そのためには、初期費用や月額費用の金額だけを見るのではなく、「その投資がどれだけの効果を生むのか」を軸に判断する必要があります。


あなたのビジネスに最適なホームページを、無理のない費用で実現するために。この記事の内容が、その一助となれば幸いです。