訪問看護事業者のホームページ制作ガイド|信頼される施設紹介と採用につなげる構成とは?
2025-06-04
監修:久保谷 太志
経済産業大臣認定 中小企業診断士 / Web制作ディレクター
目次
はじめに|なぜ訪問看護事業にホームページが必要なのか?
少子高齢化が進む日本において、「訪問看護」は今後ますます社会的ニーズが高まる分野の一つです。高齢者や慢性疾患のある方が自宅で安心して療養できる環境を整えるうえで、訪問看護ステーションの果たす役割は極めて重要です。
しかし、その需要の高さとは裏腹に、どこに依頼すればいいのか分からない、信頼できる事業者か見極めにくいという利用者・家族の声は少なくありません。実際、訪問看護を探している多くの人が、「〇〇市 訪問看護」「在宅医療 地域名」などで検索し、インターネット上の情報を頼りに検討を始めています。
こうした状況において、ホームページは訪問看護事業者にとって“信頼され、選ばれる”ための最重要ツールになりつつあります。
✅ 訪問介護のホームページ制作なら、【株式会社 KUBOYA】にご相談ください!
ホームページが持つ 3 つの重要な役割
1. 信頼の「見える化」
訪問看護は、ご利用者の“生活空間”に踏み込むサービスです。
そのため、どんな事業所で、どんなスタッフが訪問するのか――という「顔が見える安心感」がなければ、初めて利用する側は不安を拭いきれません。
ホームページ上で、施設の写真やスタッフの紹介、対応エリアや実績などを丁寧に伝えることで、ここなら任せられるという信頼感を醸成できます。
2. 情報発信と差別化
近年、訪問看護を提供する事業所は年々増加傾向にあります。そのなかで選ばれるには、自社の強みや特徴を明確に伝えることが不可欠です。
- リハビリに強い
- 小児訪問看護対応
- 24 時間体制の安心サポート など
こうした情報を効果的に発信することで、検索エンジンからの流入はもちろん、地域のケアマネージャーや医療機関からの評価にもつながります。
3. 採用活動にも直結する
訪問看護の現場では、慢性的な人材不足が続いています。
特に若い看護師にとっては、転職の際に「どんな雰囲気の職場か」「教育体制はあるか」といった情報が非常に重要です。
その意味でもホームページは、求職者に向けて“働きたいと思ってもらえる職場”を伝える採用ツールとしての機能も担っています。
利用者・家族・ケアマネ・求職者、すべての入口は Web から
現代において、ホームページは単なる名刺代わりではありません。
それは、
- 初めて訪問看護を検討しているご家族
- ケアマネージャーや病院関係者
- 転職を検討している看護師
といったすべてのステークホルダーに対して、最初に“信頼”を伝えるためのメディアです。
本記事では、訪問看護事業におけるホームページの具体的な構成や活用法、失敗しない制作のポイントまで、徹底的に解説していきます。
信頼される事業所になるために、ホームページの力を最大限活用していきましょう。
業界特有の課題とホームページの重要性
訪問看護業界は、医療・介護業界のなかでも特に「地域密着型」の性質が強く、信頼関係の構築が成功のカギを握ります。利用者の自宅というプライベートな空間に直接関わるサービスである以上、サービスの質だけでなく、「安心して任せられる事業所かどうか」という“人間的な信頼”が何よりも重視されます。
こうした背景の中、ホームページは単なる情報提供ツールではなく、「信頼の見える化」と「自ら選ばれる仕組みづくり」に不可欠な存在として、ますます重要性を増しています。
地域密着ゆえに「信頼の見える化」が必須
訪問看護サービスを必要とする人は、基本的に地域に住んでいる方々です。特に高齢者やその家族にとっては、顔の見える関係性や地域とのつながりが信頼の判断材料になります。
ところが、事業所のパンフレットや電話対応だけでは、こうした情報は伝わりづらいのが現実です。だからこそ、ホームページ上で以下のような情報を丁寧に伝えることが、利用検討者にとって大きな安心材料になります。
- 管理者やスタッフの写真・プロフィール
- 1 日の訪問の流れや対応エリア
- 利用者様の声や実績
- 地域との関わりや連携医療機関の紹介
この人たちなら信頼できると思ってもらえる情報設計こそが、地域密着型ビジネス成功の土台になるのです。
利用者だけでなく“採用”にも直結する時代
近年の訪問看護業界における最大の課題のひとつが「人材不足」です。
慢性的に看護師が足りておらず、求人広告だけで十分な人材確保ができない状況が続いています。
このとき、働いてみたいと思えるホームページかどうかが、採用に大きく影響することはあまり知られていません。
たとえば、以下のようなコンテンツをホームページ上に掲載することで、求職者の不安を解消し、応募意欲を高めることができます。
- スタッフインタビューや 1 日の仕事の流れ
- 教育体制やキャリア支援制度の紹介
- 勤務時間・福利厚生・給与例などの透明な情報
- 職場の雰囲気が伝わる写真や動画
つまり、ホームページが採用戦略の中心になっている時代だと捉える必要があるのです。
紹介・口コミ任せから“自ら選ばれる”構造へ
これまでの訪問看護事業は、病院・ケアマネージャーからの「紹介」に依存しているケースが多く、事業所側が“待ちの営業”にとどまってしまう傾向がありました。
しかし、近年は利用者や家族自身がネットで情報を調べ、自分で事業所を選ぶ時代へと変化しています。
また、ケアマネや医療機関側も、「紹介先の情報を家族に渡すための資料」として、事業所のホームページをチェックすることが一般的になっています。
そのため、ただ情報があるだけでなく、他の事業所と何が違うのか、どうして自分たちが選ばれるべきか、まで伝えられるホームページ設計が、今後の成長戦略に不可欠です。
ホームページは“信頼と選ばれる力”を同時に育てるツール
訪問看護というサービスの特性上、信頼の蓄積とブランドづくりには時間がかかります。
しかし、ホームページを上手く活用すれば、「信頼」「魅力」「専門性」を短時間で伝え、利用者・ケアマネ・求職者すべてに選ばれる存在になることができます。
このように、業界特有の課題にこそ、戦略的に設計されたホームページが最適な解決策となるのです。
集客・採用につながる訪問看護サイトの 3 つの基本要素
訪問看護事業におけるホームページは、単なる「情報掲載の場」ではなく、**利用者に選ばれ、スタッフに応募される“営業・採用ツール”**としての役割が求められます。
そのためには、ただ見栄えが良いだけのサイトでは不十分です。以下の 3 つの要素を押さえることで、信頼獲得・利用促進・求人応募数アップのすべてを同時に狙うことができます。
① サービス内容・対象エリアの明示
訪問看護は「どこまで来てくれるのか」「何ができるのか」が利用判断の大きな軸になります。
にもかかわらず、サイトにそれらが曖昧に書かれていたり、文字ばかりで読みにくかったりすると、離脱につながってしまいます。
明確なサービス説明は信頼構築の第一歩
具体的には、以下のような情報を分かりやすく掲載するのがポイントです。
- 対応する症状・疾患の例(例:がん末期、認知症、小児など)
- 提供しているサービス(例:医療処置、リハビリ、ターミナルケアなど)
- 利用できる時間帯・緊急対応の有無
- 対応エリアを地図+市区町村名で明示
- 介護保険・医療保険の対応可否と手続きの流れ
図や表を使って視覚的に見せることで、訪問対象かどうかを直感的に判断しやすくなります。
② 施設・スタッフの顔が見える安心感
「どんな人が来てくれるのか」は、訪問看護を選ぶうえで最も大切なポイントのひとつです。
利用者やご家族にとっては、自宅というプライベート空間に他人を迎え入れることになるため、人柄や雰囲気が見えるだけで安心感がまるで違います。
以下のような情報を掲載することで、施設の信頼感を高めましょう。
- スタッフの写真と簡単な自己紹介
- 管理者や代表のメッセージ(理念・想い)
- 訪問風景の写真(許可を得た上での掲載)
- 事務所や設備の内観・外観
- スタッフの声・1 日の流れ紹介
特に顔写真とエピソードのセット掲載は、親しみやすさを伝えるのに非常に効果的です。
③ 求人情報とエントリー導線の最適化
「看護師の採用ができない…」と悩む訪問看護事業者は多く存在しますが、求人ページの設計が原因で応募が来ていないケースも少なくありません。
採用に強いホームページをつくるには、ただ募集要項を載せるだけでなく、この職場で働く自分を想像できるようなコンテンツと、行動につながる導線”を設計する必要があります。
たとえば、以下のような工夫が効果的です。
- 募集職種ごとに仕事内容・求める人材像を明示
- 福利厚生・給与・勤務時間などの透明な記載
- 1 日の仕事の流れやスケジュール例
- スタッフインタビューや座談会
- 「エントリーフォームへ」ボタンを複数配置(スマホでも押しやすく)
- LINE 応募・電話応募など、応募方法の選択肢を用意
また、求人ページだけ孤立させず、トップページや各ページ下部にも採用導線を配置することで、流入チャネルを最大化できます。
“選ばれる”サイトには理由がある
このように、訪問看護事業のホームページは「施設紹介」ではなく、信頼される存在として認知され、採用にもつながるサイトである必要があります。
3 つの基本要素を意識し、構成・デザイン・導線を最適化することで、競合と差別化された成果の出るホームページを実現しましょう。
成果が出るホームページ構成|訪問看護事業者向けの必須コンテンツ
訪問看護のホームページは、「存在していれば良い」時代は終わり、集客・採用・信頼構築のすべてを担う戦略的なツールとして活用する必要があります。
そのためには、“どんな情報を、どのように掲載するか”が極めて重要です。
ここでは、成果につながるホームページの構成要素と、それぞれのページで必ず盛り込むべきポイントを詳しく解説します。
トップページ:誰に何を提供しているかを即伝える
トップページは、初めてサイトを訪れた人の約 7 割が見る“顔”です。
どこで、誰に、どんな訪問看護を提供しているかを 3 秒以内で伝える構成が不可欠です。
掲載すべき内容
- キャッチコピー+地域名+提供価値(例:「〇〇市の在宅看護なら」「夜間・小児対応」など)
- サービス概要の要約と「詳しく見る」への導線
- 採用情報への目立つ導線(求人目的のアクセスにも対応)
- 利用者の声・ご家族の声(簡易紹介)
- 最新情報(ブログ更新・お知らせ)
ファーストビューで“安心感と魅力”を伝えるデザイン・写真・言葉選びがカギです。
サービス紹介ページ:提供サービス・エリア・対象者の明確化
「自分(家族)がこのサービスを使えるのかどうか」を判断するために、詳細な情報が求められるページです。
掲載すべき内容
- サービス内容(医療処置/リハビリ/精神科訪問看護など)
- 利用対象者(年齢層・症状・介護度など)
- 対応時間/緊急時対応の有無
- 対応エリア(地図や市区町村で明示)
- 保険適用の可否(介護保険/医療保険/自費など)
専門用語を避け、やさしい言葉で丁寧に説明することがポイントです。
ご利用の流れページ:初めての方にも安心な導入ステップ
「何から始めればいいのか分からない」という不安を持つ家族・利用者にとって、導入の流れが明確なページは安心材料になります。
掲載すべき内容
- お問い合わせ〜サービス開始までのフロー(例:相談 → 訪問説明 → 契約 → 開始)
- 各ステップの所要時間や必要書類
- 相談時の費用の有無
- よくある導入相談事例
図解やフロー画像での説明を加えると、視認性が高まり離脱を防げます。
スタッフ紹介・施設紹介ページ:人柄と職場環境の可視化
訪問看護は“人対人”のサービスです。
顔が見える=安心につながるため、スタッフ紹介は必須のコンテンツです。
掲載すべき内容
- スタッフの写真とひとことコメント
- 資格や経験(堅苦しくない範囲で)
- 管理者・代表からのメッセージ
- 職場風景(オフィス・備品・訪問車両など)
採用面でも信頼感の醸成にもつながるため、写真や動画を活用し“親しみやすさ”を演出しましょう。
よくある質問ページ:利用者・家族・求職者の不安を払拭
FAQ ページは、問い合わせ件数の削減や信頼性向上に役立つ隠れた集客ツールです。
掲載すべき内容の例
- Q. 緊急時はどう対応されますか?
- Q. 夜間や休日でも来てもらえますか?
- Q. 利用できる保険は?
- Q. 看護師が変わることはありますか?
- Q. 採用応募は未経験でも可能ですか?
対象者ごと(利用者/家族/求職者)に分類すると、より親切な印象になります。
採用情報ページ:職場の魅力と働き方を丁寧に伝える
「良い人材が集まらない」と悩む事業者にとって、採用ページの質は死活問題です。
単なる募集要項ではなく、「この職場で働きたい」と思ってもらう“共感設計”がカギとなります。
掲載すべき内容
- 募集職種・雇用形態・給与・福利厚生
- 1 日のスケジュールや訪問件数の目安
- スタッフのインタビュー/動画紹介
- 教育制度や資格取得支援の説明
- 「エントリーする」ボタンの設置(スマホファーストで)
スタッフの声+リアルな職場紹介+応募動線の 3 点セットが、応募数に直結します。
お問い合わせページ:利用相談と求人エントリーを分けて設計
利用者と求職者では、目的も内容も異なります。
問い合わせフォームは“目的別に分ける”のが基本です。
工夫すべきポイント
- 「利用を検討している方」「採用について聞きたい方」など、選択肢を明示
- 電話番号・LINE などの“すぐ相談”導線も用意
- よくある質問のリンクを近くに設置
- プライバシーポリシーと SSL 対応で安心感を強化
問い合わせハードルを下げる=行動を後押しする重要ポイントです。
初めて制作する前に整理しておくべきこと
訪問看護事業者がホームページを初めて制作する際、いきなりデザインや制作会社選びに進むのはおすすめできません。
成果を出すサイトを作るためには、事前に「何を」「誰に」「どう伝えるか」を明確にすることが非常に重要です。
この章では、ホームページ制作の成功を左右する「準備段階」で押さえておくべき 3 つのポイントを詳しく解説します。
1. 誰に届けたいか(利用者・家族・求職者)
まず整理すべきは、**ホームページの「主なターゲット」**です。
訪問看護事業の場合、以下の 3 タイプが主な閲覧者となります。
- サービス利用を検討している本人またはご家族
- 医療・介護関係者(紹介元)
- 求職者(看護師・リハビリ職・事務スタッフなど)
それぞれが求める情報は異なります。
ターゲット | 知りたいこと・求める情報 |
---|---|
利用者・家族 | 対応エリア、サービス内容、費用、利用の流れ、緊急対応の有無 |
医療関係者 | 対応の質、連携体制、医師との協力体制 |
求職者 | 職場の雰囲気、待遇、訪問件数、教育体制、スタッフの声 |
ターゲットごとに適切な情報を配置し、それぞれの導線(ページ遷移)を意識することが、離脱率の低下と成果の最大化につながります。
2. 他社と差別化できる強みの棚卸し
次に必要なのは、自社ならではの魅力を明確にすることです。
訪問看護の業界は年々参入事業者が増え、同じエリア内でも多くの選択肢があるのが実情です。
その中で選ばれるためには、以下のような差別化ポイントを言語化しておく必要があります。
- 小児/精神科対応など専門性
- 24 時間対応の可否
- ご家族向けフォロー体制
- 医療機関やケアマネとの密な連携
- スタッフの平均経験年数や対応実績
- 地域密着型の柔軟なサービス
これらの要素を「お客様視点」で伝えることが、単なる施設紹介との決定的な差になります。
3. ゴール設定(相談予約/求人応募)
最後に、ホームページを通じて達成したい「ゴール」を明確に設定することが大切です。
訪問看護事業者の多くは、以下のような目的をもってサイトを立ち上げます。
- サービス利用に関する相談・問い合わせの増加
- 求人への応募数アップ
- 地域での認知度向上・ブランディング
この「ゴール」が曖昧なままだと、情報設計も導線もぼやけてしまい、成果が出にくいサイトになります。
ゴールに合わせた具体的な設計例
- 相談予約がゴール:目立つ位置に「ご相談はこちら」ボタン/LINE や電話番号の常時表示
- 求人応募がゴール:採用ページを強化/「1 日体験」「動画紹介」など親しみやすい内容を追加
誰に何をしてほしいかを明確にしてこそ、効果的なホームページは生まれます。
制作前の整理が、サイトの価値を決める
訪問看護事業のホームページは、“作ること”が目的ではありません。
しっかりと事前整理を行い、自社の強みや目的を可視化することで、はじめて「成果を出すホームページ」が完成します。
焦らず、まずは上記 3 つの視点から、じっくり自社の棚卸しを進めてみましょう。
📘 続けて読みたい関連記事
👉 介護施設ホームページ制作で失敗しない方法|信頼を得る構成とデザインのコツとは?
よくある失敗例とその改善ポイント
訪問看護事業者がホームページを制作する中で、作ったけれど思ったほど効果が出ない、採用や相談につながらないという声は少なくありません。
その多くは、ちょっとした設計ミスや情報不足によるものです。
この章では、実際によくあるホームページ制作の失敗例と、それぞれに対する改善ポイントを具体的に解説します。
1. 写真が古く、清潔感や信頼感が伝わらない
よくある失敗
- 開業当初に撮ったままの写真を数年間そのまま掲載
- スタッフの表情が暗い・画質が荒い
- 設備や内装が現状と異なるため、現地とのギャップが生まれる
なぜダメなのか?
訪問看護の利用者や家族にとって、「安心して任せられるかどうか」は大きな判断材料です。
古い・暗い・画質が悪い写真は、信頼できる印象を損なう要因になります。
改善ポイント
- 2〜3 年に一度は撮影を更新し、現場の“今”を伝える
- 自然な笑顔のスタッフ写真や、訪問準備の様子など“動き”のある写真を掲載
- スマホで撮影するのではなく、プロカメラマンの活用も検討(特に採用目的がある場合)
2. 情報が少なく、サービス内容や対象エリアが曖昧
よくある失敗
- 「訪問看護を行っています」とだけ書かれている
- 提供サービスの詳細や、対応可能エリアが不明確
- 記載のない内容について、電話での問い合わせが頻発
なぜダメなのか?
利用者・家族は「自分の状況に対応してもらえるかどうか」を事前に確認したいと思っています。
情報が少ないと、その判断ができず、結果として離脱につながります。
改善ポイント
- 「訪問看護(医療処置・終末期ケア)」「訪問リハビリ」「精神科訪問看護」など、提供サービスを明確に分けて記載
- 地域名を具体的に(例:「東京都中央区・江東区・墨田区に対応」など)
- 利用者の対象(年齢層・疾患など)も記載することでミスマッチを減らす
3. 採用情報が埋もれており、応募導線が弱い
よくある失敗
- 採用情報がフッターに小さくリンクされているだけ
- 採用ページはあるが内容が薄く、待遇や働き方が伝わらない
- 応募ボタンが目立たない or 別サイトへのリンクで離脱
なぜダメなのか?
訪問看護業界は慢性的な人材不足に直面しており、優秀な人材を確保できるかが事業の成否を左右します。
採用導線が弱いと、せっかくの訪問者を取りこぼす結果になります。
改善ポイント
- トップページやメニューに採用情報への目立つリンクを設置
- 「先輩の声」「1 日の流れ」「職場風景の写真」など、親しみやすい情報を充実
- 応募フォームをシンプルにし、スマホからの操作性を重視
4. 更新されておらず「今もやってるの?」と不安を与える
よくある失敗
- お知らせ欄が「2021 年更新」のまま放置
- スタッフ紹介が過去のメンバーで止まっている
- 季節イベントや新サービスの情報が掲載されていない
なぜダメなのか?
更新されていないサイトは、運営が止まっているのでは?という不安を生みます。
特に訪問型サービスの場合、リアルタイムの信頼感が求められるため致命的です。
改善ポイント
- 月 1 回のお知らせ更新を習慣化(例:採用強化中/スタッフ紹介追加など)
- スタッフ紹介・サービス内容に変更があれば即時反映
- Instagram やブログと連携し、最新情報をトップに表示するのも効果的
「よくある失敗」を避けることが、信頼と成果につながる
訪問看護のホームページは、単なる名刺代わりではありません。
**「信頼され、選ばれるための営業ツール」**として、写真・情報量・導線・更新性に徹底的にこだわることが、
相談数や求人応募数といった成果につながります。
まずは、今の自社サイトが上記の失敗例に当てはまっていないか、ぜひ一度チェックしてみてください。
成功事例に学ぶ訪問看護ホームページの工夫
競争が激化する訪問看護業界では、「ただ作る」だけでは成果につながりません。
実際に成果を上げている事業所のホームページには、明確な目的と、それを伝える工夫があります。
ここでは、3 つの成功事例をもとに、訪問看護サイトにおける“差がつくポイント”を紐解いていきます。
A 施設|地域密着とケア実績をビジュアルで訴求
概要
A 施設は東京都郊外にある中規模の訪問看護ステーション。
主な対象エリアは半径 5km 圏内と地域密着で、高齢者へのリハビリ型訪問看護に強みを持っています。
ホームページの工夫
- トップページにドローン撮影による地域全景の動画を掲載
→ 地域に根ざした存在であることを視覚的に伝えられる - 年間実績(訪問件数・疾患別内訳など)をインフォグラフィック化
→ エビデンスベースの安心感を演出 - 地域イベントや提携クリニックとの連携を「地域との関わり」として明示
→ 医療・介護ネットワークの中での信頼をアピール
成果
- サイトリニューアルから 3 ヶ月で、相談件数が月平均 1.8 倍に増加
- 地域包括支援センターからの紹介が増え、ケアマネとの関係性強化にも寄与
B 施設|求人に特化した LP 型ホームページを併設
概要
B 施設は都市部で複数拠点を展開する大手訪問看護事業者。
人材確保を経営の最優先課題としており、ホームページはあえて本体サイトと採用サイトを分離しています。
ホームページの工夫
- 採用専用の LP(ランディングページ)を構築
→ 求職者に向けたストレートな訴求が可能 - 1 日のスケジュール紹介、先輩スタッフのインタビュー、福利厚生の写真化
→ 働くイメージが持てるよう配慮 - 応募ボタンは各セクションに常設+ LINE 連携でカジュアル応募も可
→ 離脱を最小限に抑える設計
成果
- LP 導入後、応募者数が 2.4 倍に増加
- SNS 広告と連携することで、エリア外からの U ターン応募も増える結果に
C 施設|ご利用者の声 × 動画で信頼感を演出
概要
C 施設は、緩和ケアと精神科訪問看護の両方を提供する専門性の高い事業所。
心のケアを重視するため、利用者との信頼関係の構築をホームページにも反映しています。
ホームページの工夫
- 実際のご利用者インタビューを動画で掲載
→ 文章では伝わらない“声”と“表情”が安心感を与える - ご家族の声も交えたストーリー仕立ての紹介ページ
→ 介護者の視点からの共感を呼ぶ構成 - スタッフの思いを綴ったブログを月 2 回更新
→ 施設の“人柄”を見せるコンテンツとして機能
成果
- 「動画を見て安心した」との理由での新規利用申し込みが増加
- ご家族からのGoogle レビュー投稿数が急増し、評価平均が 4.9 に上昇
成功事例から見える共通点とは?
3 つの施設に共通するのは、「誰に何を伝えるべきか」が明確であり、
それを伝えるためのコンテンツ設計・デザイン・導線すべてが一貫しているという点です。
訪問看護のホームページは、営業・採用・ブランディングのすべてを兼ねる重要資産です。
上記のような工夫を取り入れることで、成果につながるサイトに育てることが可能になります。
制作にかかる費用と相場感
訪問看護ステーションがホームページを制作する際、**「費用対効果の見極め」**は非常に重要です。
単に安く作ることが目的ではなく、信頼感・集客・採用といった“成果”につながる投資として、
どの程度のコストを想定すべきかを、ここで詳しく解説していきます。
テンプレ型とオリジナル型の違い
ホームページ制作には大きく分けて 2 種類の方法があります。
1. テンプレート型(パッケージ型)
あらかじめ用意されたテンプレートに文章や写真を当てはめていく方式です。
- メリット:低価格・短納期
- デメリット:差別化しにくく、後からの拡張性が低い
価格帯の目安:10 万円〜30 万円程度(初期費用)
訪問看護事業所として最低限の情報を掲載する“名刺代わり”としては成立しますが、
本気で集客や採用に活かしたい場合は限界がある構成です。
2. オリジナル型(フルオーダー型)
一からデザイン・構成を考え、オリジナルで設計・制作する方式です。
- メリット:サービスや理念を正確に伝えられる、SEO にも強い
- デメリット:費用と制作期間がある程度かかる
価格帯の目安:40 万円〜80 万円(初期費用)+ 月額保守費用
競合との差別化や、採用ブランディングも視野に入れるなら、オリジナル型が有効です。
初期費用の目安/月額保守の考え方
初期費用
- テンプレ型:10〜30 万円程度
- オリジナル型:40〜100 万円程度(ページ数・撮影有無で変動)
月額保守
- 保守ありプラン(月額 5,000 円〜15,000 円)
→ サーバー管理、ドメイン更新、文章変更などを依頼可能 - 保守なし(都度見積):必要に応じてスポット対応
CMS(WordPress など)を導入することで、更新作業を自社で対応可能なケースもありますが、
セキュリティ管理やバックアップ体制などを考慮すると、保守契約を推奨します。
成果につながる投資とコストカットの線引き
コストをかけるべき項目と、削れる項目をしっかり見極めることが重要です。
投資すべき項目
- デザイン設計と導線構成:信頼とわかりやすさの土台
- プロによる写真撮影:スタッフや施設の清潔感・雰囲気を伝える要
- 求人ページの導線設計と内容の充実:応募率に直結
- SEO を考慮したライティング:検索流入を増やす基盤
削れる可能性のある項目
- 無理な多言語対応(地域密着型であれば不要な場合が多い)
- 過剰なアニメーションや装飾(本質的な価値ではない)
訪問看護事業のホームページは、「ただ存在する」だけでは意味がありません。
新規利用者・紹介元・求職者に“選ばれる理由”を提示するためのツールとして、
成果に直結する部分にはしっかりと予算をかける判断が求められます。
特に現在は、求職者がホームページを見て「ここで働きたいかどうか」を判断する時代です。
費用面を慎重に検討しながらも、信頼と成果を意識したサイト設計を心がけましょう。
制作会社を選ぶときのチェックポイント
訪問看護事業所にとって、ホームページ制作は事業の信頼性・集客力・採用力を高める重要な投資です。
しかし、数多ある制作会社の中からどこを選ぶべきか迷う方も多いはず。
ここでは、成果につながるサイトを作るために重視すべき 4 つのチェックポイントを解説します。
医療・福祉業界の実績があるか
訪問看護や医療・介護業界には、法令やサービス体系、専門用語など独自の背景があります。
そのため、制作会社に業界知識や類似実績があるかどうかは非常に重要です。
- 利用者目線・家族目線での不安や疑問を理解しているか?
- 採用ターゲット(看護師・リハ職)の志向性に配慮できているか?
- 医療広告ガイドラインなどの制約に配慮しているか?
これらをきちんと理解していない制作会社に依頼すると、
見た目は整っていても、実際の成果に結びつかないサイトになってしまうリスクがあります。
スマホ対応・SEO 対策が基本対応か
現代では、7 割以上の利用者や求職者がスマートフォンからアクセスしてくるのが現実です。
にもかかわらず、PC 表示が基準でスマホでは見づらい、というサイトも少なくありません。
- レスポンシブデザイン(スマホ・タブレットに最適化)が標準対応か
- ページの表示速度は速いか
- 見出しやタイトルなどが SEO(検索エンジン対策)を意識して設計されているか
SEO に強いサイトは、地域名 × 訪問看護、地域名 × 看護師求人などで検索されたときに上位表示され、
**“指名検索に頼らず、新規の流入を得られる”**という大きな強みになります。
採用・相談の導線設計に強いか
訪問看護ステーションのホームページでは、「相談したい」「応募したい」人を迷わせない導線設計が肝です。
- 利用者用・求職者用の導線がきちんと分かれているか
- 各ページから“問い合わせフォーム”へのアクセスがしやすいか
- 採用ページに「働く魅力」「写真」「動画」など視覚的な訴求があるか
とくに採用においては、単なる募集要項の羅列ではなく、
**「ここで働くイメージがわくコンテンツ」**を作れるかどうかが応募率に直結します。
CMS(WordPress など)で自社更新が可能か
ホームページは作って終わりではなく、運用が命です。
ブログでの情報発信、スタッフ紹介の追加、求人情報の更新など、
スピーディーに社内で対応できるかどうかが、中長期のコストと成果に大きく影響します。
- 更新に専門知識が必要な仕組みになっていないか
- WordPress などの CMS を使って直感的に操作できる設計になっているか
- 操作マニュアルやサポート体制が用意されているか
これらが整っていれば、社内スタッフでも日常的な情報発信や修正が可能となり、
ユーザーに「生きているサイト」という印象を与えることができます。
制作会社選びは、ホームページの成否を分ける最重要工程のひとつです。
単に「安いから」「デザインがキレイだから」ではなく、
業界理解・成果設計・運用性という 3 つの視点から慎重に見極めましょう。
運用と更新で差をつける!継続的に成果を出す工夫
訪問看護のホームページは、「一度作って終わり」では成果が出ません。
継続的な更新と運用によってこそ、信頼性が高まり、利用者・ご家族・求職者に選ばれる施設へと進化していきます。
ここでは、**他施設と差がつく“更新・運用の工夫”**を紹介します。
スタッフ紹介やブログで“人”を見せる
訪問看護は、人と人との関係がサービスの中核を担います。
そのため、スタッフの顔や想いが見えるサイトは安心感を与え、選ばれる大きな理由となります。
- スタッフ紹介ページに顔写真+コメントを掲載
- 入社インタビュー記事でリアルな働く声を紹介
- ブログで現場の様子やスタッフの日常を発信
これらのコンテンツは、利用者や家族の不安を和らげるだけでなく、採用活動にも効果的です。
「どんな人が来てくれるのか」「どんな仲間と働くのか」を具体的に想像できることで、応募のハードルが下がります。
SNS・Google ビジネスプロフィールとの連携
近年はホームページだけでなく、SNS や Google 検索からの流入が増加傾向にあります。
そのため、他チャネルとの連携を意識した設計・運用が重要です。
- Instagram や X(旧 Twitter)での情報発信
→ ケア中の様子や季節イベントなど、日常の一コマを発信 - Google ビジネスプロフィールの最適化
→ 「訪問看護ステーション+地域名」で検索されたときの表示強化 - SNS とホームページを相互リンクし、回遊性を高める
こうした連携を行うことで、ホームページの更新が他メディアとも連動し、情報発信の総合力が向上します。
お知らせ・事例紹介の定期更新
定期的な情報更新は、“この施設は今もきちんと運営されている”という安心感を与えるだけでなく、
SEO 対策としても非常に有効です。
- 「○ 月 ○ 日 スタッフ募集のお知らせ」
- 「新しいリハビリ器具を導入しました」
- 「地域の ○○ イベントに参加しました」
こういったお知らせや活動報告は、内容がシンプルでも OK。
継続的に発信する姿勢こそが、検索エンジン・ユーザーの双方から信頼を獲得する鍵となります。
また、実際のケア事例やサポートの様子を紹介することで、
「この施設に相談してみよう」という判断材料にもなり、集客力を高める効果も期待できます。
更新を“仕組み化”して継続しやすくする
とはいえ、日々の業務に忙しい訪問看護ステーションにとって、更新作業は後回しになりがちです。
そこでおすすめなのが、「月 1 回は ◯◯ を更新する」といった運用ルールの明文化。
- 毎月第 1 週に「お知らせ」更新
- 2 ヶ月に 1 回、ブログ記事を 1 本アップ
- 四半期ごとにスタッフ紹介を追加・見直し
こうした運用ルールをチームで共有しておくことで、継続的な発信が習慣化され、
“ホームページを活かしきれている施設”としての差別化につながります。
ホームページは「つくること」が目的ではなく、「成果を出し続けること」が本質。
更新・運用の工夫次第で、地域に愛される・求職者に選ばれる訪問看護ステーションへと着実に近づいていきます。
よくある質問(FAQ)
ホームページ制作を進める中で、訪問看護事業者からよく寄せられる疑問をまとめました。
どれも実際の成果に直結する重要な視点ですので、制作前後の判断材料としてぜひ参考にしてください。
Q. 利用者の写真や声は掲載しても大丈夫?
掲載するには、必ず「文書での同意」が必要です。
訪問看護というセンシティブな分野では、個人情報の取り扱いに細心の注意が求められます。
- ご本人(またはご家族)から書面での「掲載許可」を取得する
- 撮影時の目的・使用範囲を明示する
- 必要に応じて匿名・顔出しなしの対応を検討する
ただし、実際の利用者の声や写真は「信頼性を高める」大きな要素です。
可能であれば、許可を得た上で掲載し、“人のつながり”が伝わる構成にすることをおすすめします。
Q. 採用ページと本体サイトは分けた方がいい?
基本的には同一ドメイン内で一体型にした方が効果的です。
なぜなら、以下のようなメリットがあるためです。
- 求職者がサービス内容や職場環境を一気に把握できる
- 検索エンジンからの評価が一元化され、SEO 的にも有利
- サイト全体の統一感が出る
ただし、応募が多い・採用活動に力を入れたい場合は、LP(ランディングページ)型で特化するのも有効です。
たとえば「求人特設ページ」を作り、SNS や求人広告からそちらに誘導する運用も可能です。
Q. ブログはやった方がいい?
結論:やるべきです。
理由は主に以下の 3 つです。
- SEO 対策になる
→ 「訪問看護+地域名」での検索上位表示に貢献 - 施設の雰囲気や日常を伝えられる
→ 利用者や求職者にとって“親しみ”が生まれる - 定期更新で“今も活動している施設”と伝わる
→ ホームページが“放置されていない”証拠になる
「スタッフの紹介」「季節ごとの取り組み」「地域イベントの参加報告」など、書けるネタは意外と多いもの。
月 1 回でも十分効果があります。
Q. どれくらいの頻度で更新すべき?
理想は月 1 回以上のペースで何らかの更新を行うことです。
更新内容は以下のように多岐にわたります。
- 「お知らせ」ページの追加
- ブログ投稿
- スタッフ情報の更新
- 採用情報の見直し
ただし、「やらなきゃ」と負担に感じて止まってしまうのは本末転倒。
まずは四半期に 1 回でもよいので、習慣化を意識した運用ルールの設計から始めましょう。
Q&A の公開は、サイト全体の信頼性を高めるコンテンツにもなります。
「どんな施設か」「どんな人が運営しているのか」を伝えるために、FAQ セクションは非常に有効です。
ぜひ貴施設の実情に合わせた質問と回答を、継続的に追加・更新していきましょう。
まとめ|“信頼”と“人柄”を伝えるサイトが、選ばれる訪問看護事業者の鍵
訪問看護は、利用者やそのご家族にとって非常にプライベートな領域に関わるサービスです。だからこそ、事業者選びの基準は「料金」や「立地」だけではなく、「人として信頼できるか」「どんなスタッフがケアを行うのか」に重きが置かれます。
ホームページは、その第一印象を決定づける最重要の接点です。
サービス内容や運営理念をしっかり伝えるのはもちろん、写真・言葉・構成すべてを通じて、“顔が見える安心感”と“現場の温かさ”を届けることが、他施設との差別化の決め手になります。
特に以下の 3 点を意識することで、ホームページが単なる情報提供ツールではなく、**集客・採用・ブランディングを同時に実現する“成果の出るメディア”**へと進化します。
- 信頼感を生む構成(代表あいさつ、スタッフ紹介、利用者の声)
- 採用につながる設計(職場環境の見える化、エントリーフォームの最適化)
- 継続的な運用(ブログ・お知らせ・SNS との連携)
今や紹介や口コミだけに頼らず、“自ら選ばれる”ことが求められる時代。
訪問看護事業者にとって、ホームページは信頼を形にし、未来の利用者・スタッフとの出会いをつなぐ【かけがえのない資産】です。
「うちの施設、ちょっと良いかも」と思わせる第一歩は、魅力的なホームページから始まります。
ぜひ、本記事を参考に、あなただけの強みを最大限に引き出すホームページ制作に取り組んでみてください。
📘 続けて読みたい関連記事
👉 老人ホームのホームページ制作ガイド|家族が選ぶ信頼と安心の伝え方