BtoB企業のホームページ制作ガイド|法人営業につながる構成・事例・改善策を解説
2025-06-06
監修:久保谷 太志
経済産業大臣認定 中小企業診断士 / Web制作ディレクター
目次
- はじめに| BtoB 企業のホームページが果たす“営業”としての役割
- なぜ BtoB 企業の多くがホームページで成果を出せていないのか?
- 【基礎編】BtoB ホームページに必要な 5 つの役割と導線設計
- 【構成編】法人営業に強い BtoB サイトのページ構成とは?
- 【改善編】問い合わせ数を増やすための UX と CV 導線の改善ポイント
- 【事例紹介】BtoB 企業の成功事例 3 選|構成・導線・改善ポイントを解説
- 制作会社を選ぶ前に| BtoB サイトで失敗しない外注のポイント
- 【チェックリスト】成果が出る BtoB ホームページの 10 の条件
- よくある質問| BtoB ホームページ制作 Q&A
- まとめ|法人営業を加速させる鍵は「設計されたホームページ」
はじめに| BtoB 企業のホームページが果たす“営業”としての役割
BtoB(企業間取引)を行う企業にとって、ホームページは単なる会社紹介の場ではありません。むしろ、**法人営業を加速させる“デジタル営業担当者”**としての役割を果たすべき存在です。
従来の BtoB 営業は、人脈やテレアポ、展示会などに頼ったアナログな手法が中心でした。しかし、Web 検索によって情報収集を行う企業担当者が増えている今、ホームページ上での第一印象が商談の成否を分けることも珍しくありません。
特に以下のような状況では、ホームページの存在意義がより大きくなります。
- 新規取引先を獲得したいが、営業リソースが足りない
- 全国・海外へと販路を広げていきたい
- 製品・サービスの強みを明確に伝えたい
- 信頼感のある企業イメージを打ち出したい
このような課題に対し、**「戦略的に設計されたホームページ」**は、企業の価値や提供サービスの魅力を明確に伝え、見込み顧客の信頼を得るツールとして機能します。
さらに、資料請求・問い合わせ・セミナー申込など、営業活動に直結するコンバージョン導線を用意しておくことで、ホームページはリード獲得の起点となり得るのです。
本記事では、BtoB 企業がホームページを通じて成果を出すために必要な構成や導線、改善策、そして成功事例までを詳しく解説していきます。自社サイトが営業に貢献していないと感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ BtoB 企業の多くがホームページで成果を出せていないのか?
多くの BtoB 企業がホームページを持っているにもかかわらず、**「問い合わせがほとんど来ない」「営業には役立っていない」**という悩みを抱えています。これは決して珍しいことではなく、原因は明確に存在します。
1. 営業戦略と連動していない
BtoB におけるホームページの本来の役割は、法人営業の補完や拡張です。しかし多くの場合、営業チームと Web サイトが別々に運用されており、戦略が連動していません。営業の強みや現場の声がサイトに反映されていないため、見込み顧客のニーズに刺さらない内容になってしまっているのです。
2. ターゲットが不明確・メッセージが曖昧
誰に向けて、何を伝えるべきかが曖昧なまま制作されたサイトでは、訪問者に響くはずがありません。特に BtoB では、業界や職種ごとに抱える課題や意思決定プロセスが異なるため、それに合わせた訴求が必要です。
「どの企業にも通用するように」と汎用的な文言を並べても、結局は誰にも刺さらず、離脱を招きます。
3. コンバージョン導線が存在しない・弱い
BtoB のホームページでは、「資料請求」「お問い合わせ」「無料相談申込」など、次のアクションを促す導線設計が極めて重要です。しかし、これらが見つけづらい位置にあったり、魅力的な訴求が不足していたりするケースが多数見受けられます。
ユーザーがアクションを起こす理由がなければ、成果にはつながりません。
4. デザインや情報構造が古く、信頼性を損ねている
企業の顔であるホームページのデザインが古いままだと、**「この会社は情報更新をしていない=時代遅れ」**という印象を与えてしまいます。特に BtoB では、信頼感が何より重視されるため、第一印象で損をしてしまえば商談にも繋がりません。
これらの要因が複合的に絡み合い、BtoB 企業のホームページが本来の営業ツールとして機能していない現実があります。成果を出すためには、営業視点とユーザー視点を兼ね備えた戦略的な設計が不可欠です。
【基礎編】BtoB ホームページに必要な 5 つの役割と導線設計
BtoB 企業のホームページは、単なる会社案内ではなく、営業活動を後押しする戦略的なツールとして機能する必要があります。そのためには、役割を明確にし、ユーザーが自然とアクションを起こしたくなるような導線設計が欠かせません。ここでは、成果につながるために必要な 5 つの基本的要素を解説します。
1. 信頼獲得のための情報開示
BtoB の商談は金額も関係性も大きくなるため、相手企業は**「信頼できる取引先かどうか」**を慎重に見極めようとします。そこで重要なのが、企業情報の透明性です。
- 会社概要や沿革、代表者メッセージ
- 資格・認証(ISO、P マーク等)
- 取引実績や導入企業ロゴの掲載
- 社員紹介や開発・施工風景などの内情公開
これらは、訪問者が安心感を抱くうえで不可欠な要素です。
2. 法人向けの導線設計と CTA
BtoB の意思決定は複数人で行われることが多く、役職や職種によって関心のある情報が異なります。そのため、想定するペルソナごとに明確な導線と CTA(Call To Action)を設計することが重要です。
例えば:
- 経営者向けには「導入による経営メリット」
- 現場担当者向けには「機能の詳細説明」
- 技術者向けには「スペック資料」や「FAQ」
このように、役割ごとに深堀できるリンクやボタンを配置し、それぞれが求める情報にスムーズに辿り着ける構造が求められます。
3. 課題解決型コンテンツの構築
ユーザーが Web サイトに訪れる最大の理由は「課題の解決」です。自社がどんな問題を解決できるのかを伝えるコンテンツ設計は、BtoB ではとくに重視されます。
- 業種別のソリューション紹介
- よくある課題とその解決事例
- ホワイトペーパーやブログ記事
こうした情報を整理して提供することで、「まさに自社の悩みにフィットしている」と感じてもらいやすくなります。
4. 問い合わせに繋げる動線とフォーム設計
せっかく興味を持ってもらっても、フォームが使いにくい、入力項目が多すぎる、目的が不明瞭などの理由で離脱されてしまっては本末転倒です。
- 必要最低限の入力項目に絞る
- 「〇〇について問い合わせる」など目的を明記
- 入力のしやすさ(スマホ対応・自動入力補助)
など、コンバージョン率を高める UI/UX の工夫が不可欠です。
5. 資料請求・導入事例の活用
**「今すぐ問い合わせるのはハードルが高い」**というユーザーに対しては、資料請求や事例ダウンロードが有効です。信頼の証として、以下のようなコンテンツを活用しましょう。
- PDF 形式の製品・サービス紹介資料
- 具体的な導入事例(課題 → 解決策 → 結果)
- 顧客インタビュー記事
- 業界別の成果データ
これらはリード獲得に繋がるだけでなく、営業活動でも有力な武器になります。
BtoB ホームページの基礎は、**「誰に、何を、どう届けるか」**を明確に設計することです。単なるきれいなデザインではなく、戦略的に役割と導線を構築することで、初めて“成果につながるサイト”が生まれます。
【構成編】法人営業に強い BtoB サイトのページ構成とは?
BtoB サイトにおいては、単に情報を並べるのではなく、法人営業につながる構成と順序を意識したページ設計が重要です。各ページが連携し、訪問者の関心を段階的に深めていくことで、問い合わせや資料請求といったアクションに自然と導けます。ここでは、法人営業に強い BtoB サイトに必要な主要ページと、その構成ポイントを解説します。
トップページに何を載せるべきか?
トップページは、初見の訪問者が最も多く訪れる場所であり、企業の第一印象を左右する極めて重要なページです。以下のような要素を優先的に配置しましょう。
- キャッチコピー:提供価値や強みがひと目で伝わる一文
- メインビジュアル:業種・事業内容を視覚的に訴求
- 主力サービスの紹介:3〜5 点程度のアイコンやバナーで誘導
- 導入実績・取引企業ロゴの掲載:信頼感の醸成
- CTA(お問い合わせや資料請求ボタン):目立つ位置に配置
特に BtoB では、初回訪問時に**「自社に関係ありそうか」**を判断されるため、業界や対象企業規模を明示しておくと離脱防止に効果的です。
会社案内ページで差をつけるポイント
会社案内ページは、商談や契約の可否を左右する**“信頼性の根拠”**としてチェックされることが多いです。単なる沿革や所在地だけでなく、以下のような差別化要素も盛り込みましょう。
- 代表メッセージや理念
- 組織体制やチーム紹介
- 社会貢献やサステナビリティへの取り組み
- 各種認証や表彰実績
特に**「実在性・信頼性・安定性」**の証明は、法人にとって重要な判断材料です。写真や動画を交えて人となりが伝わる内容に仕上げましょう。
サービス紹介ページの説得力を高める工夫
サービス紹介ページでは、専門性・対応力・実績を明確に伝えることがカギとなります。
- サービスの概要・対応範囲
- 対象業種や導入シーン
- 他社との違い(比較表や事例付きで)
- 導入メリット(定量的な効果も含める)
さらに、**「選ばれる理由」**を明示したセクションを設けることで、競合との差別化が図れます。
また、ページの末尾には CTA ボタンを設けて、サービスに関心を持ったユーザーをスムーズに問い合わせへ導く設計が必要です。
実績・導入事例ページの効果的な見せ方
BtoB では、実績が最大の信頼材料です。導入企業ロゴの掲載や業種別の事例紹介は、訪問者にとって**「うちと似た企業も使っている」**という安心感につながります。
効果的な構成例:
- 事例タイトル(どんな課題をどう解決したかが一目で分かる)
- 課題 → 提案内容 → 導入プロセス → 結果のストーリー形式
- 数値データや顧客コメントの挿入
- 写真付きの導入シーンや社内風景
可能であれば、PDF 形式でダウンロードできるようにしておくと、社内共有のしやすさも評価されます。
お問い合わせ・資料請求ページの最適化
せっかく関心を持ってくれた訪問者も、入力フォームが煩雑だったり不安を感じる内容だった場合、離脱してしまいます。フォーム最適化は、コンバージョンを左右する最重要ポイントの 1 つです。
- 項目数は最小限(名前・会社名・メール・内容程度)
- 入力補助(自動補完・郵便番号 → 住所変換など)
- フォームの設置意図を明記(例:「2 営業日以内に返信」など)
- お問い合わせ後のサンクスページに資料 DL や他ページへの誘導を設置
また、問い合わせ以外のアクション(資料請求、無料相談予約など)を複数提示することで、ユーザーの状況に応じた選択肢を提供できます。
法人営業に強い BtoB サイトを構築するには、一貫した流れと信頼獲得の積み重ねが重要です。どのページも単体で完結するのではなく、訪問者の心理の変化に合わせて構成し、最終的なアクションにつなげる設計を意識しましょう。
【改善編】問い合わせ数を増やすための UX と CV 導線の改善ポイント
どれだけ魅力的な商品やサービスを提供していても、ホームページの導線やユーザー体験(UX)が不十分であれば、訪問者はすぐに離脱してしまいます。BtoB 企業のホームページで成果を出すには、CV(コンバージョン)導線の最適化が不可欠です。この章では、具体的な改善ポイントを 5 つの視点から解説します。
ファーストビューで離脱させない
訪問者が最初に目にするファーストビューは、わずか 3 秒で離脱が決まるとも言われています。この限られた領域において、以下の要素がきちんと設計されているか確認しましょう。
- キャッチコピーが、誰に・何を・どう解決するかを端的に伝えているか
- メインビジュアルが業種・提供価値を想起させる内容か
- ファーストビュー内に CTA(資料請求・お問い合わせ)が含まれているか
とくに BtoB の場合、業種や規模のミスマッチを防ぐために対象業界や取引先規模などを明示しておくと、ミスマッチによる離脱を防げます。
導線とボタン配置の見直し
良質なコンテンツを用意していても、次にどう行動すべきかが分からなければ訪問者は迷い、離脱します。導線と CTA(コールトゥアクション)の配置は、ページ全体の中でもっとも戦略的に設計すべきポイントです。
- 各セクション下に「詳しくはこちら」「導入事例を見る」「お問い合わせ」などのボタンを配置
- CTA ボタンは目立つ色・余白・サイズで強調
- 上部メニューにも常時表示されるよう固定(特にスマホ)
訪問者の滞在時間やスクロール位置に応じた CTA の提示も有効です。例えば、スクロールが一定位置に達したら固定バナーを表示するなど、タイミングの工夫も検討しましょう。
フォーム改善で CV 率アップ
フォーム入力は、心理的ハードルの高いアクションです。その障壁を下げるための工夫が CV 率を左右します。
- 入力項目は必要最低限(名前、会社名、メールアドレス、問い合わせ内容)
- プライバシーポリシーの明記
- 「営業目的の連絡はいたしません」といった安心材料の記載
- 入力ミス時のエラー表示を分かりやすく
- サンクスページで次の導線(事例 DL やブログ誘導)を提示
また、**ステップフォーム(1 画面ずつ段階的に入力させる形式)**はスマホユーザーとの相性が良く、離脱率を抑えられる手法として注目されています。
モバイル対応の最適化
近年、BtoB 業界でもモバイルでの閲覧比率が 30〜50%を超えるケースが増えています。にもかかわらず、スマホでは見づらい・ボタンが押しにくい・読み込みが遅いといった理由で、CV チャンスを逃しているサイトは少なくありません。
- レスポンシブ対応で表示崩れのないデザイン
- フォントサイズやボタンの押しやすさ(タップ領域の確保)
- スマホ用 CTA ボタンは固定表示で常に誘導
- 電話や LINE など、モバイルならではの CTAの導入も検討
Google もモバイルファーストインデックスを導入しており、モバイル対応は SEO 観点でも評価対象になります。
ページ読み込み速度とセキュリティ
UX の土台とも言えるのが、ページの表示速度とセキュリティです。3 秒以上表示に時間がかかると離脱率が大きく上がると言われており、見た目や内容以前の問題になります。
- 画像の WebP 化や LazyLoad による表示最適化
- キャッシュの利用や CDN 導入による高速化
- 常時 SSL(https)の導入は必須
- サーバー応答速度の確認と見直し
BtoB の見込み顧客は、特にセキュリティ意識の高い業界や職種であることが多いため、https 対応・プライバシーポリシー・Cookie 同意バナーの設置など、信頼を損なわない仕様に整えることが求められます。
ホームページ経由での問い合わせ数を増やすためには、「伝える工夫」だけでなく「使いやすさと安心感」まで設計に落とし込むことが欠かせません。定期的な AB テストやアクセス解析を行いながら、地道な改善を積み重ねていきましょう。
【事例紹介】BtoB 企業の成功事例 3 選|構成・導線・改善ポイントを解説
BtoB 企業がホームページから成果を上げるには、業界特性を理解したうえで、最適な構成と導線設計を行うことが不可欠です。ここでは、実際に成果を出している企業の事例を 3 つ紹介しながら、それぞれの成功ポイントと工夫点を解説します。あなたの業種に近い事例があれば、ぜひ参考にして自社サイトの改善に活かしてください。
1. IT サービス企業の事例|専門性とスピード感で信頼を獲得
概要
クラウド業務システムを提供する IT 企業 A 社は、月間アクセス数は多いものの問い合わせに結びつかないことが課題でした。
改善アプローチ
- トップページに「対応業種」「導入事例」「料金シミュレーション」などのCTA を明確に配置
- サービス紹介ページで、技術的な専門用語は控え、ターゲット企業の課題ベースで解説
- 資料ダウンロードやセミナー案内を導入し、ホットリード以外にもリストを獲得できる構成に変更
成果
改善後は、資料ダウンロード数が約 3 倍に増加し、問い合わせ数も前年比で 180%増加。明確な導線設計とターゲット企業の心理に寄り添った説明が成功の鍵となりました。
2. 製造業の BtoB 企業の事例|図面よりも“課題解決”にフォーカス
概要
精密部品を製造する B 社では、営業活動は従来の紹介や展示会が中心で、ホームページは「会社案内」止まりの状態でした。
改善アプローチ
- トップページで主要製品の活用事例をビジュアルで訴求
- 技術ページでは「素材・加工方法・耐久性」などを検索キーワードとして盛り込みつつ、設計担当者向けの読みやすさを重視
- 問い合わせフォームは、「仕様書添付可」「納期選択」「希望ロット数選択」など、購買担当のニーズに即した UX に改善
成果
検索経由のアクセスが 2.5 倍に増加し、問い合わせ経由の受注率が 30%を超える成果を実現。過去に商談がなかった業種からのアプローチも増加し、新規開拓に繋がっています。
3. 建設業・専門技術系の事例|信頼性と施工力を可視化
概要
公共工事やインフラ関連設備を手がける C 社では、「実績はあるのに信用してもらえない」という悩みを抱えていました。
改善アプローチ
- 実績紹介ページを刷新し、「発注者名」「施工場所」「工期」「使用技術」などを掲載。施工現場の写真や図面も併用し、説得力を強化
- スタッフ紹介や保有資格、社内体制を開示し、組織としての信頼性を明示
- 採用ページを分離し、BtoB 顧客の導線を邪魔しない設計に変更
成果
結果として、ホームページからの商談依頼が年間 20 件以上増加し、過去にはなかった官公庁からの引き合いも発生。会社としての「信頼を視覚化する」ことが成功要因となりました。
これらの成功事例に共通するのは、「作ること」が目的ではなく、“営業活動の一環”としてホームページを設計している点です。自社の強みをどう伝えるか、ターゲットの不安や行動をどう誘導するかを考え抜くことで、ホームページは“営業マン以上に成果を出す武器”になります。
制作会社を選ぶ前に| BtoB サイトで失敗しない外注のポイント
BtoB 企業のホームページ制作は、ただデザインが整っていれば良いわけではありません。営業ツールとして機能するかどうかが、成果を左右する最大のポイントです。しかし、多くの企業が「価格」や「納期」だけで外注先を選び、思うような成果が出ないという事態に陥っています。ここでは、BtoB サイトを成功させるために押さえておきたい外注のポイントを 3 つ紹介します。
「安く・早く」で選ぶと失敗しやすい理由
制作会社を選ぶ際、「とにかく安く」「早く公開したい」といった判断基準だけで決めてしまうのは危険です。特に BtoB のホームページでは、単なる企業情報の掲載にとどまらず、営業活動を支援するための設計や導線づくりが求められます。
「テンプレートでいいからサクッと作ってほしい」「とりあえず形だけ整えば OK」という姿勢では、競合との差別化は難しく、成果に結びつかないサイトになるリスクが高くなります。
安さやスピードだけを重視して外注した結果、あとから「アクセスはあるのに問い合わせがない」「修正を依頼するたびに高額な費用がかかる」といった課題が噴出し、結局は高くついてしまうケースも少なくありません。
BtoB に強い制作会社の見極め方
成果につながるホームページを作るには、BtoB マーケティングに精通した制作会社を選ぶことが非常に重要です。そのための見極めポイントは以下の通りです。
- 過去の制作実績に BtoB 案件が豊富にあるか
- 業種ごとの特性やターゲット層への理解があるか
- サイト公開後の運用や改善にも対応しているか
- ヒアリング時に、目的やターゲットに関する質問が多いか
BtoB に強い制作会社は、単なる「見た目のデザイン」だけでなく、問い合わせに繋がる導線設計やコンテンツ設計を重視して提案してくれます。また、「誰に、何を、どう伝えるか」といったマーケティング視点から提案できるパートナーかどうかも大きな判断材料となります。
戦略設計から伴走してくれるパートナーを選ぶ
ホームページは公開して終わりではなく、そこからがスタートです。SEO 対策・コンテンツ改善・アクセス解析に基づく修正など、定期的な改善が成果を左右します。そのため、単発で制作して終わるのではなく、継続的な伴走支援を提供してくれるパートナーを選ぶことが成功の鍵です。
戦略設計から伴走してくれる会社であれば、「リニューアル前にアクセス解析をもとに課題を洗い出す」「競合分析を踏まえてポジショニングを設計する」「定期的にミーティングを行い改善を図る」といった取り組みが可能になります。
このように、パートナー選び=成果の出るホームページをつくる第一歩です。外注先を選ぶ際には、価格や納期だけでなく、「誰と一緒に成果を目指すか」を軸に検討しましょう。
【チェックリスト】成果が出る BtoB ホームページの 10 の条件
BtoB 企業にとって、ホームページは“名刺代わり”ではなく、営業・マーケティングの中心となるツールです。では、実際に成果を上げている BtoB サイトには、どのような共通点があるのでしょうか?ここでは、成果を生む BtoB サイトに欠かせない 10 の条件をチェックリスト形式で紹介します。
このチェックリストを参考に、今の自社サイトに足りない要素を見直し、改善のヒントとしてご活用ください。
1. ターゲット企業像が明確に設定されている
誰に向けたホームページなのかが曖昧では、メッセージも刺さりません。業種・規模・役職レベルなど、ペルソナ設定がしっかりされているかを確認しましょう。
2. 課題解決型のコンテンツが用意されている
「何ができるか」だけでなく、「どんな課題をどう解決するのか」が伝わるページ構成になっているかが重要です。サービス説明よりも、“お客様の悩みに寄り添う”視点が必要です。
3. 信頼性を担保する情報が充実している
企業情報、実績、取引先一覧、導入事例、資格・受賞歴など、信頼に値する要素を丁寧に掲載しているかが問われます。特に初訪問のユーザーにとっては、信頼があるかどうかで問合せ率が大きく変わります。
4. CV(コンバージョン)導線が論理的に設計されている
トップページから問い合わせ・資料請求に至るまで、無駄な遷移をせずにスムーズにたどり着けるか。CTA ボタンの配置や文言も含めて最適化されているか確認を。
5. 事例・実績が具体的に掲載されている
事例が単なる「企業名+コメント」だけでなく、課題 → 提案 → 成果の流れでストーリー化されていると、説得力が大きく増します。写真や数値も交えると効果的です。
6. 問い合わせフォームが簡潔で入力しやすい
必要以上の入力項目があると、ユーザーの離脱を招きます。本当に必要な情報だけを聞き、入力しやすい設計にしましょう。ステップ型や補足説明付きも有効です。
7. モバイル最適化されている(レスポンシブ対応)
法人担当者もスマートフォンで検索・閲覧する時代。モバイル端末でも見やすく、操作しやすい構成になっているかは必須条件です。
8. SEO を意識したテキストと構造が設計されている
ただキーワードを盛り込むだけではなく、検索意図にマッチしたコンテンツ設計になっているか。見出し構造(H1〜H3)やパンくずリスト、URL 構成も重要です。
9. 読み込み速度が速く、セキュリティ対策がされている
Google は読み込み速度をランキング要因にしています。画像の圧縮・コードの最適化・SSL 対応など、パフォーマンス改善も SEO に直結します。
10. コンテンツ更新が継続されている(運用体制がある)
情報が数年前で止まっていないか?ブログ・ニュース・事例追加など、定期的な更新があると、検索評価だけでなくユーザーからの印象も良くなります。
この 10 項目を満たしている BtoB ホームページは、自然と集客し、問い合わせにつながる仕組みが整っていると言えます。一つでも当てはまらない項目があれば、早めに改善していきましょう。
よくある質問| BtoB ホームページ制作 Q&A
BtoB 企業のホームページ制作にあたっては、費用・期間・集客手法など、多くの疑問や不安がつきものです。ここでは、実際によく寄せられる質問に対して、専門的な視点から明快にお答えします。これから制作・リニューアルを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Q1. サイト制作にかかる費用の目安は?
A. 一般的な BtoB 企業のコーポレートサイトの場合、50 万〜150 万円程度が相場です。ページ数や機能、デザインのこだわり、コンテンツ制作の有無によっても変動します。
例えば、
- ランディングページ中心のシンプルな構成 → 50 万〜80 万円
- 実績紹介・ブログ・フォームなどを含む中規模構成 → 80 万〜120 万円
- 戦略設計・撮影・SEO 記事執筆などを含む高品質構成 → 120 万〜200 万円
あくまで目安ですが、**「安く済ませること」よりも「目的に合った構成に投資すること」**が、BtoB サイトでは成果につながります。
Q2. 制作期間はどれくらい?
A. 通常は2〜3 ヶ月程度が一般的です。
ただし以下の要因で延びることもあります。
- 原稿や素材の用意に時間がかかる
- 社内確認・承認フローが長い
- サイト構成が複雑で、戦略設計を要する
逆に、テンプレート活用+迅速な決定が可能であれば、最短 1 ヶ月程度での公開も可能です。BtoB の場合は拙速よりも、丁寧な設計と検証を重視すべきです。
Q3. リニューアルすべきか、新規制作すべきか?
A. 既存サイトがある場合でも、以下のいずれかに当てはまるならリニューアルを推奨します。
- 更新が数年以上されておらず、情報が古い
- モバイル対応(レスポンシブ)がされていない
- 問い合わせや資料請求がほとんどない
- デザインが古く、信頼感を損ねている
一方で、ページ数が少なく、目的に沿った構成になっていない場合は、新規制作の方が効率的なこともあります。
いずれの場合も、**「誰に」「何を」「どう伝えるか」**という戦略を軸に判断しましょう。
Q4. SEO と広告、どちらが有効?
A. 長期的な集客にはSEO(検索エンジン対策)、短期成果には**広告(リスティング広告や SNS 広告)**が有効です。
SEO は時間はかかりますが、信頼性の高い見込み顧客を自然に集められる手段です。特に、専門的な内容が多い BtoB においては、検索ニーズにマッチしたコンテンツが営業活動をサポートします。
一方、広告は即効性があり、新サービスや期間限定施策の告知に有効です。理想は両者をバランスよく併用することです。
Q5. ブログやコンテンツは必要?
A. 必要です。
BtoB においては、ブログ=読み物ではなく、**「信頼構築」「検索流入獲得」「見込み顧客への教育」**という営業機能を担います。
例えば、
- よくある課題の解決策を記事にする
- 自社の強みや事例をブログ形式で紹介
- 業界トレンドを解説し専門性を示す
といったコンテンツは、SEO 効果だけでなく営業トークの補強資料としても活用可能です。
運用が不安な場合は、月 1 本の更新からでも十分成果は見込めます。
BtoB ホームページは“つくって終わり”ではありません。**「どう育てていくか」**を見据えた準備が成果への第一歩です。わからないことがあれば、専門の制作会社やマーケティングパートナーに早めに相談してみましょう。
まとめ|法人営業を加速させる鍵は「設計されたホームページ」
BtoB 企業の営業活動において、ホームページは単なる名刺代わりではなく、24 時間働き続ける営業担当のような存在です。しかし、ただ見栄えが良いだけのサイトでは、成果にはつながりません。問い合わせや商談獲得につなげるためには、ターゲットのニーズを的確に捉えた設計が不可欠です。
本記事では、BtoB ホームページに求められる役割から構成、導線、改善ポイント、成功事例までを幅広く解説しました。改めて、成果につながるホームページの共通点を振り返ってみましょう。
- 信頼獲得のためのコンテンツが充実している
- 導線設計が明確で、ユーザーの迷いがない
- **CTA(行動喚起)**が各所に的確に配置されている
- 問い合わせや資料請求にスムーズに遷移できる導線がある
- SEO やコンテンツ運用により、中長期的な集客基盤がある
つまり、成果を出す BtoB サイトとは、**営業フローをデジタルで再現・補完する「設計されたホームページ」**なのです。
特に中小・中堅企業にとっては、限られた営業リソースを補う手段として、**サイトの役割は年々重要性を増しています。**リアル営業に頼りきるのではなく、オンラインの顧客接点を最大限活用する戦略的な体制が必要です。
これから制作・リニューアルを検討されている方は、見た目や価格だけでなく、「営業成果につながるかどうか」という視点で設計・パートナー選びを進めていきましょう。
そうすることで、ホームページは“コスト”ではなく“投資”としてリターンを生み出す資産に変わります。
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